2019年3月20日

 

北杜市長

渡辺英子 様

 

北杜市太陽光等再生可能エネルギー発電設備

設置に関する検討委員会 市民委員

鎗野達男、学正博次、弘田由美子、

塙喜一郎、渡部義明、三浦剛、長田富丈 

 

 拝啓 

 早春の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。 

 

 昨年10月17日に委員長より提言書が提出されてから、5ヶ月弱の時を経てようやく「北杜市太陽光発電設備設置と自然環境の調和に関する条例」および同条例施行規則の素案が公開され、パブリックコメントの募集が開始されました。

 

 条例の名称および第一条に記された目的は、提言の趣旨に沿うものであるものの、その条文は、この目的を実現するにはかけ離れた内容が多く見られます。1年間10回の長時間を要した委員会と現場視察を通して、これまでの指導要綱と景観条例だけでは解決できない問題点を洗い出し、北杜市の貴重な自然環境と生活環境を未来へつなぐためにどのような条例が必要かを議論してまいりました。また、皆様の理解を深め共通の認識を持っていただくために、毎回資料の作成・提供も行ってまいりました。その上で全会派を代表する市議会議員、市民、事業者および学識経験者から成る委員全員が賛同して提出した提言です。市長は、自らが設置された検討委員会の提言を最大限尊重して条例作成を行うとご発言されました。この素案が「最大限の尊重」なのでしょうか、そして、この条例によって多くの住民が直面する太陽光発電設備による乱開発問題を解決し、自然環境、景観および住民の生活環境を守ることが可能であるとお考えなのでしょうか? 

 

 まず、提言した条例骨子の内容を損なう特に重要な部分について、なぜ尊重されなかったのかの理由を明確且つ具体的にご説明いただきたく、質問書を提出いたします。

 

尚、この文書並びに回答書については公開とさせていただきますので、了知くださいますようお願いいたします。

 

回答書は、2019年3月28日まで弘田由美子宛にメールでお送りいただきますようお願い申し上げます。 

敬具

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (以下、公 開 質 問 書)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  

2019320

北杜市長 

渡辺英子 様

 

北杜市太陽光等再生可能エネルギー発電設備 

設置に関する検討委員会市民委員一同

 

 

「(仮称)北杜市太陽光発電設備設置と自然環境の調和に関する条例(素案)」に関する公開質問書

 

 

1.なぜ防災上危険な区域および貴重な自然環境や景観として守るべき地域(国立公園、国定公園、保安林、砂防指定地、土砂災害

   特別警戒区域、土砂災害警戒区域、その他北杜市の指定する区域)を太陽光設置禁止区域としなかったのか?

 

2.前項の危険区域について、市長と協議をすることとされているが、協議をするからには同意して許可を与えることが想定されていた

    はずである。事業者がどのような措置を講ずれば地域住民の生命と財産を守れるとお考えなのか、①保安林 ②砂防指定地 ③

    土砂災害特別警戒区域 ④土砂災害警戒区域それぞれについて具体的にご説明ください。

        特に、太陽光モジュールは人為的に発電を止めることができず、破損しても、接続されていなくても光によって発電すること、それ

    による出火の危険があること、モジュールには鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれ、破損して水没すれば流れ出す恐れ

     があることを念頭に置いてお答えください。

 

3.太陽光モジュールの高さを成人の目線の高さにほぼ相当する1.5m以下とした提言に対して2.5m以下に引き上げた根拠は何か? 

        事業者委員からも1.5m以下とすることの問題は指摘されなかった。隣接住宅や道路からの景観において、建築物と異なり敷地

     使用割合が格段に高い太陽光モジュールの高さは景観を大きく阻害してきた。これでは景観との調和、生活環境との調和を図って

     いるとは言えないが、如何お考えか?

 

4.隣接地との境界から太陽光設備までの離隔距離は原則5m以上、隣接住宅がある場合には10m以上とし、また山岳景観形成区域において残地森林率が25%以上となるよう提言した。これは条例の目的の自然環境・景観・生活環境との調和の全ての実現において、重要な事項でもある。しかし、山岳景観形成区域と田園集落景観形成区域のそれぞれの地域特性に対する配慮もなく、北杜市全域に対して1m以上もしくは太陽光モジュールの高さと同等の距離を確保することとされた。その理由は何か?

        施行規則第9条第2項で「樹木の伐採は進入路、排水施設等の設置のための最低限度の伐採」とし、あたかも樹木を残すかの

    ような誤解を与えるが、1mの離隔距離であればフェンスと設備の間の通路として確保するスペースしかなく、既に景観条例で定め

    られている遮蔽のための植栽を植えることも難しく、事業地全体を皆伐して更地としてもよいということを意味している。これが自然

    環境・景観・生活環境との調和とお考えか?

 

    規模の大小に拘らず、電気事業法上の保安原則が課され、維持管理や消防活動のためのスペースの確保が求められているこ

  とを考慮した結果なのか?

       傾斜地の多い山間部において森林伐採をすれば、保水力の低下を招き土砂災害の危険度が増すことは周知の事実である。そ

  のためにも最低限の残地森林もしくは造成森林の確保を求め、小規模施設では建築物とほぼ同等の敷地使用割合となるように、

  大規模設備では林地開発基準とほぼ同等となるように定めた。これを無視した理由は何か? 周辺地域の気温上昇、パワーコン

  ディショナーの低周波音、景観の悪化は隣接住民の生活環境に深刻な被害をもたらしてきたことをご存知ないのか?

 

5.地域への事業計画の周知について、提言した事業計画標識の設置は明記された。しかし、提言ではFIT設備については認定を取

  得した段階で標識を設置するよう求めたが、条例素案には時期が明記されておらず、単に許可申請前とされている。改正FIT法で

  は事業化が確実であることが条件となっていることから、認定取得時点で周知をするのが当然で、これを避けた理由は何か? 

 

6.事業者による事業計画の説明対象から、設置により影響を受けると考えられる合理的理由のある全ての住民および建築物所有者

  および地域住民団体が除外された。これを厳格化する目的なのか施行規則第8()において規定する範囲および権利関係に係

  る書類の提出を求めており、100m以外の者を排除する趣旨となっている。太陽光設置は規模や設置場所の地理的条件によって影

  響はさまざまであるため、少なくとも説明会には影響を受ける可能性のある全ての人が参加できるようにすることが必須であり、こ

  れまでの深刻な地域の問題であることは繰り返し検討委員会で説明した。上記除外の理由と根拠は何か?

 

7.これまでは事業者の都合で個別の説明がほとんどであったため、説明内容の食い違いや不備が生じ、問題を悪化させてきた。関

  係住民等を一堂に会して説明会を開くことが事業計画を認知し理解する上で必要であるために提言した。説明会は必須ではなく、

  単に説明を行うことだけが義務化されたのは、現行の問題を軽視していると考えられるが、その理由は何か?

 

8.これまで事業者が市に対し地域への説明を行ったとする報告と、実際の地域への説明の有無が大きく食い違う事例が散見され

  た。事業者の一方的な報告としないために説明会の出席者の署名(任意)、議事録の提出を義務付けたが、削除された理由は何

  か?

 

9. 全ての発電設備に電気設備の技術基準の適合義務が課されており、架台はJISC8955の規格を遵守するか若しくは自ら強度計算

  を行わなければならない。しかし、実際の設置状況から強度計算がされていないと疑われる設備が多く存在する。強度不足の場合

  には、パネルの飛散事故や設備の崩落事故につながり、大変危険である。JISC8955では水平の地盤面にしか設置できないため、

  傾斜地へ設置する場合には全て強度計算書があるはずである。法令違反の可能性があることがわかっていながら、それを放置す

  れば地域の安全を守れないのは明白である。JIS規格遵守を確認する書類若しくは強度計算書の提出を許可基準としなかった理

  由は何か?

 

10.隣接する地域において複数事業者が伐採届だけで森林伐採を行った結果、林地開発許可が必要な1ha以上の伐採が行われた

  事例があったために、自治体として保有する周囲の認定情報を確認し、全体で林地開発が必要かどうかの確認を市の義務とした

  が、この規定が排除された理由は何か?

 

11.既存設備については、猶予期間を定め強度不足や災害危険要因の解消および高さ制限の合致と植栽のみを義務付けた。

  素案では全ての許可基準の適用と範囲を広げる一方で拘束力のない努力義務に留めた理由は何か?

以上