2017年1月31

 

北杜市市長 渡辺英子 様
 

 

                   太陽光発電を考える市民ネットワーク
                                                  
共同代表:猪原弘子・高橋正夫・田中正巳・内藤由冶・

                         中哲夫・野上悦郎・弘田由美子・帆足興次・

                                              堀内正人・牧野州哲
                                                        
所在地:北杜市小淵沢町上笹尾33322007 
                                                          
メールアドレス:
yametebassai@yahoo.co.jp 
 
前略
 
 111日に市長との面談の機会をいただきたいという要請文書を提出いたしましたが、124日付でご丁寧なお断り文書をメールにて拝受いたしました。ご公務で当面はお時間が取れないとのことですが、私たちは私的な意見交換の場をお願いしているのではありません。多くの市民にとって深刻な喫緊の問題について市民から生の声を聞き意見交換を行うことも重要な公務ではないかと考える次第です。所信表明をされてからあまりにも早い方針転換に驚きを隠せません。
 
 誠に残念ではありますが、市長ご自身が表明された「語る場」を私たちにはご提供いただけないということですので、公開質問状を提出させていただきます。ご公務の一つとして真摯にご回答いただき、速やかにご返送くださいますようお願い申し上げます。質問内容をご理解いただいた上で、質問に沿ったご回答を記載頂きますようお願い申し上げます。
 
 尚、本公開質問状とご返送いただきます回答書は全て公開させていただきますので、あらかじめご了承ください。
 
回答書送り先: メールアドレス 
yametebassai@yahoo.co.jp
送付締切日 : 2017217日(金)

                                      草々

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太陽光発電を考える市民ネットワーク 御中

 

 晩冬の候、太陽光発電を考える市民ネットワーク共同代表の皆様におかれましては益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。

さて、平成29年1月31日付けで、公開質問状を頂戴いたしましたのでお答えいたします。

 

            平成29年2月17日

            北杜市長 渡 辺 英 子   

 

 【質問は斜文字で記載しています】

 

 1.北杜市では昨年9月末に既に10kW以上の太陽光発電設備が139297,031kWも導入され山梨県内で最大で、全国と比較しも平地の少ない傾斜地の多い地域にもかかわらず顕著な設置数を記録し、全国の注目を浴びています。設置面積は推定145haに上ります。森林が約76%を占める北杜市では、導入に伴って失われた森林の大きさを物語る数字でもあります。

 

太陽光発電設備設置のために貴重な森林が伐採されていくことをどのように思われますか?〔原文ママ〕

 

 → 森林は、土砂災害の防止、水源のかん養、保健休養の場などの多面的な機能を有しており、私たちの生活と深く関わる貴重な財産であると認識しております。

 

森林は森林として引き続き適切な管理が行われていくことが望ましい姿であると考えておりますが、民有林にあっては、所有者の様々な考え、事情があり、関係法令に定めのある行為について、制限を受けるものであると考えております。

 

 

2.既に設備認定を受け、導入されていない10kW以上の太陽光発電設備がまだ3,412 187,245kWもあり、さらに新たな認定が続いています。全てが設置されないとしても、今後現在の倍以上になる可能性は十分にあります。それは北杜市の将来にとってよいことだとお考えでしょうか?〔原文ママ〕

 

→ 再生可能エネルギーの導入については、これまで、貴ネットワークとのやりとりの中においても賛成と伺っております。

  化石燃料の枯渇問題において再生可能エネルギーの導入促進は重要な課題であります。

 

本市は、日照時間が長いなど本市地域特性により、太陽光発電の適地として注目され、また、太陽光発電設備設置に関して様々な課題についても注目されるようになりました。太陽光発電の導入と自然環境の保全、地域環境との調和を図っていくことが重要であると考えております。

 

 

3.これまでほとんどの施設において周辺住民に対して、事業者側から主体的に事業計画の段階で説明が行われることはありませんでした。多くの場合、住民が工事開始の情報に気付き事業者に説明を求めてきました。そのような事実をご存知ですか?〔原文ママ〕

 

→ 北杜市太陽光発電設備設置に関する指導要綱においても事業者等の責務に規定していることから、これまで、太陽光発電設備設置に関して地域の方からの相談や、届出書提出の際に確認を行う中で、周知や説明会の実施状況を確認しており、これらの行為がなされていない場合は指導等を行ってきたところであります。

 

また、本年4月の電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律の施行に伴い、「事業計画策定ガイドライン」として設備設置にあたって遵守が求められている事項についての考え方が示されます。この考え方においても「地域との関係構築」として地域への説明に関しての記載があり、国では推奨事項として、法令の規制がかからない事項についても適正な実施を促していることから、引き続き事業者に指導してまいりたいと考えております。

 

 

4.自宅の目の前に接近して太陽光パネルを設置され、景観が大きく破壊され眺望が失われる、反射光被害、伐採により保水力がなくなり雨水が溜まる、パワコンによる騒音など多くの問題が発生しています。法律が追い付いていないために、事業者は合法的であることを主張します。

 

行政はこれまで指導要綱、県のガイドライン、景観条例の届け出義務により十分指導は可能であり、自然、景観、住民の健全な生活等は守られるとしてきましたが、実際に守られている、或いは守られていくと思われますか?〔原文ママ〕

 

→ 伐採による災害防止については森林法、騒音については騒音規制法など、個別の法令に規定があり、該当の法令により扱われるものであることから、その法令の範囲内において規制を受けることになります。

 

市として、法令に規定がない中においても、北杜市太陽光発電設備設置に関する指導要綱に基づき、必要に応じて事業者等に粘り強く指導を行ってまいりました。

 

 

5.太陽光発電設備は現状では他の電源に比較して高コストの発電でありながら、FITによる売電のしくみにより、全国民から強制的に徴収される再エネ発電賦課金によって事業者は確実に利益を上げられます。その結果、永続的な発電事業者ではなく、短期的な金儲けに群がる劣悪な投資家集団、異業種の参入が相次いでいます。

 

そのような事業のために先祖から受け継いできた貴重な自然環境、生態系を壊していくことに、自治体として積極的に歯止めをかけるべき時とは思われませんか?〔原文ママ〕

 

→ 国内の電力需給事情の逼迫感、また、経済事情も考慮した制度であると考えております。既に平成26年度当初では、太陽光発電設備の認定件数は4,000件に上り、この時点で一定のルールが必要であると考え、北杜市太陽光発電設備設置に関する要綱を制定いたしました。

 

温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギーの必要性を認めつつ、地域環境との調和を図り、持続可能な社会の実現に向けて、より一層の取り組みが求められていくことになるものと考えております。

 

新FIT法においても事業者の変更は、引き続き認められておりますが、本市で事業を行う発電事業者においては、単なる事業採算ではなく、地球温暖化防止に資する事業として、また、地域社会の一員として協調を図り事業実施を行うよう引き続き指導してまいります。

 

 

6.新FIT法ではこれまで発生した多くの問題に対処すべく、景観・安全対策を確実に行い住民との合意形成を達成することが、適切に再生可能エネルギーを推進していくためには不可欠であるとしています。しかし、先の12月議会答弁では都合の悪い所は飛ばして、新FIT法は推進するための法律であるので規制はできないという驚くべき発言がありました。

 

市長は、新FIT法とその成立までの経緯、そして新たに提出されている太陽光発電事業計画策定ガイドラインの主旨を十分に理解していらっしゃいますか?〔原文ママ〕

 

→ 新FIT法の改正の主旨は、長期エネルギー需給見通しにおける再生可能エネルギー導入水準達成のために固定価格買取制度を見直しするものであり、電源間でバランスの取れた導入、国民負担抑制のためのコスト効率的な導入の促進及び電力システム改革 を活かした効率的な電力の取引・流通の実現を目的として再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を図るものであります。

 

国では、発電設備の設置増加に伴い、土地利用に関する防災上の懸念や地域住民とのトラブルが生じているケースが見られ、長期安定的な事業実施にあたり、その設置場所を巡る土地利用規制の遵守や地域社会との共生が不可欠として、関係法令の遵守を担保する仕組みを設けたものであり、遵守しない場合は、改善命令、認定取消しを行うことを可能としたものであります。

 

なお、現在資源エネルギー庁が実施している説明会においては、新FIT法はブレーキではなく、適正化を図り、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立を目指すと言及しております。

 

 

7.新FIT法により土地利用に関する自治体の条例を含めた関連の他法令遵守が義務付けられたため、既に多くの自治体が設置禁止区域や抑制区域の指定、明確な数値基準の設定などの各自治体の設置状況に合わせた規制強化に、行政自らが積極的に動き出しています。

 

しかし、北杜市は現状の指導要綱・景観条例の運用でさえ消極的で、新たな規制強化や条例化には全く後ろ向きです。自然環境は北杜市の宝だと何度も繰り返しながら、それを守ろうという実際の行動が見られません。今それをしなければ将来に禍根を残すという政治家としての責任をお感じになりませんか?〔原文ママ〕

 

→ 新FIT法、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法等の一部を改正する法律については、これまで法において明文されていない再生可能エネルギー発電設備の設置にあたり、関係する法令を遵守するよう求め、遵守していない場合の改善命令等、更には認定を取り消すことができるとしています。

 

他法令遵守にあたっては、条例を含むと規定されており、都道府県や市町村の条例の遵守を求めています。しかし、新FIT法自体が規制に関する拘束力を持つわけではなく、個別の法令等に委ねているものであります。このことから、太陽光発電を取り巻く法整備が更に必要であり、引き続き国に対し法整備の要望を行ってまいりたいと考えております。

 

 

8.最後に、市長は地方自治法に基づく新たな条例は制定できないものとお考えでしょうか?〔原文ママ〕

 

→ 地方公共団体には日本国憲法及び地方自治法に基づき条例を制定する権能を認められておりますが、法令の範囲内に留まるものであり、合意形成の義務化など、更に上乗せして制限を行うには課題があるものと考えております。

 

このため、新FIT法による事業計画策定ガイドラインなどを踏まえ、北杜市太陽光発電設備設置に関する指導要綱の見直しを検討しているところであります。

以上