2020年12月1日
北杜市長
上村 英司 様
北杜市太陽光発電を考える市民ネットワーク
共同代表:猪原弘子、高橋正夫、田中正巳、内藤由冶、中哲夫、
野上悦郎、弘田由美子、帆足興次、堀内正人、牧野州哲
所在地:北杜市小淵沢町上笹尾3332-2007
メールアドレス:yametebassai@yahoo.co.jp
地上設置型太陽光発電設備設置に対する規制強化に関する要望書
2019年7月に「北杜市太陽光発電設備設置と自然環境の調和に関する条例」が公布され、同年10月から施行されました。しかし、この条例は条例制定前に北杜市が設置した「北杜市太陽光等再生可能エネルギー発電設備設置に関する検討委員会」が1年に及ぶ議論の結果提言した条例骨子とは大きくかけ離れた内容であり、条例化された規制事項も具体性を欠き曖昧で抜け穴だらけのものでした。
条例施行後1年が経過しましたが、当然の結果として、自然環境、生活環境や景観を大きく損なう設置が継続しており、私共に寄せられる住民からの相談は後を絶ちません。住民の不安や失望は以前と何ら変わらず、条例制定による顕著な改善が見られないのが現実です。
さらに条例で明記された説明義務、周辺住民への理解を得る事業者の責務も果たされているとは言えず、特に悪質な業者が条例の曖昧な部分を巧みに利用するケースが目立ちます。従って、条例の目的として明記された「豊かな自然環境及び美しい景観並びに市民の安全・安心な生活環境との調和を図り、もって魅力ある地域社会の実現に寄与すること」からは程遠い状況です。
北杜市の最も貴重な資源である自然環境、生活環境や景観をこれ以上の破壊から守り、地球温暖化防止、CO2の吸収に寄与する森林消失にブレーキをかけるための真に実効性のある地上設置型太陽光発電設備規制条例の早期制定を強く要望いたします。
また中長期的には、将来を見据えたまちづくりヴィジョンに基づいたゾーニング、現在の太陽光発電設備乱開発の温床となった管理の行き届かない森林を守り生かす施策や耕作放棄地を減らすための農業政策に積極的に取り組んでいただきますようお願い申し上げます。
以下に参考情報を記載いたしますので、ご検討の一助としていただきますよう、お願い申し上げます。
◆現行条例の主要問題点
1.災害危険区域への設置規制がない。
「協議」とされているが実質的に規制するものではない。
2.自然環境保全のための施策、残地森林、造成森林および緑化の規定がない。
3.設備の高さ規制、離隔距離規制が緩過ぎるために、生活環境の劣化が避けられず、規制の意味がない。
4.説明義務とはしたものの、住民が強く求める説明会を原則とすることが明記されていない。
また、その方法や説明を受けられる対象住民の範囲が記述されておらず、誰が判断するのかも明記されず、運用に任されている。毎回住民が職員に確認をすることが多発している。
その結果、事業者からの一方的通知の郵送で済まされているケースも多い。
これまでに説明が完了したとする82件のうち31件しか説明会は開催されていない。
(条例施行から2020年11月11日まで)
5.電気設備の技術基準適合義務を担保する構造計算書の確認が行われず、不適合の疑いのある設置が続いている。
6.他法令遵守がされていない違法案件が許可されてしまう。
(分割禁止違反、電気事業法保安義務違反など)
7.総じて具体性を欠いた曖昧な表現が多く、事業者の都合のよい解釈や担当者による解釈の違いを生みやすく、統一的な厳格な運用が行いにくい。
◆事業および事業者の実体
・大半が市外および県外の事業者。
・低圧50kW未満の多くはインターネットで安易に転売される投資用転売物件である。
事業者が短期間で変わり、地域への理解がない。
・FIT開始と共に太陽光に手を出した個人事業者が圧倒的に多く、責任能力に疑問がある。
・安易に誰でも認定が取得可能なFIT制度の問題であるが、社会的道義的責任を感ずることがなく、発覚しない限り違法も
厭わない悪質な事業者が非常に多い。
◆北杜市 太陽光発電設備認定・導入件数
以上 |
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